注意: 勝手に筆者がまとめているものです。間違っている情報が含まれる可能性があります。
基本的なこと
バッテリー上がり
自動車などに積んでいるカーバッテリー(鉛蓄電池)が、放電しきっているもしくは、セルモータ(エンジンを買えるためのモータ)が十分に回転させることができない状態になっていることを、バッテリーが上がったと言います。
基本的に、セルモータを回しエンジンをかける時には、バッテリー電圧が12.4V以上必要です(12V車の場合)。それ以下の場合は、エンジンが掛かりにくくなったり、最悪掛かりません。
その時に行うのが、ジャンプスタートです。救護車とブースターケーブルが必要です。救護車には、一定の条件が整っている必要があります。
ジャンプスタートは、自動車教習所でも習いますが、実践しているところはあまりないかと思います。
バッテリーの種類
自動車に搭載されているバッテリーの電圧には、12V、24V、48Vがあります。
通常の乗用車は、12Vでマイナスアースとなっています。
ジャンプスタートを行うときは、同じ電圧のバッテリーを積んだ救護用の自動車が必要です。
マイナスアースとは
通常電源には、プラスとマイナスがあり、どちらかをグランド(アース)として使用します。その時、マイナス側をグランドとしてる車を、マイナスアース車といい、逆をプラスアース車と言います。
マイナスアース車がほとんどなので、大丈夫だと思いますが、ジャンプスタートをするときは、同じアースの方法かどうかを確認する必要があります。
ジャンプスタートの方法
マイナスアース車で12Vの乗用車で説明します。それ以外は適応されません。
必要物
- ブースターケーブル 赤黒の2本 5m・100A以上あった方が良い
- 救護車 (電圧とアース方式の一致する自動車)
- 故障車 (バッテリーの上がった自動車)
方法
- 救護車と故障車を向かい合わせ、ボンネットを開ける。 (バッテリーがボンネット内に無い場合は、バッテリー同士が近くなるようにする)
- 救護車のエンジンを掛ける。 (掛けなくても良いが、救護車がエンジンを掛からなくなるのを防ぐために掛けておいた方が良い。ただし、熱が出るので、エンジン部やその付近に、触れないにようにする)
- バッテリーのプラス端子が、カバー保護されているので、説明書に従い取り外す。
- ブースターケーブル赤を、故障車のバッテリーのプラス端子に取り付ける。
- ブースターケーブル赤を、救護車のバッテリーのプラス端子に取り付ける。
- ブースターケーブル黒を、救護車のバッテリーのマイナス端子に取り付ける。
- ブースターケーブル黒を、故障車のボディーアースに取り付ける。 (バッテリーから離れた金属部に取り付けてください。ボルトなどが固定しやすいかと思います。この時、火花が飛び散る可能性があります)
- 充電が始まります。
- 救護車のエンジンの回転数を1500~2000rpmくらいにする。(アイドリング状態でも良いが、このくらいの回転数が、一番発電効率が良い)
- 1分から5分ほど待ってから、故障車のエンジンを掛ける。普通に掛かるはずです。
- 接続した逆の順序で、ブースターケーブルを取り外す。
- 故障車のエンジン掛けたままにし、最低30分は走行し、充電を促す。2時間くらいは、掛けたままのほうが良い。
注意点として、3つあります。
- ボディーアースは最後に接続します。バッテリーのマイナス端子に繋いではいけません。
- マイナスから接続してはいけません。
- プラス端子とマイナス端子を接続してはいけません。
これを守らないと、非常に危険です。
バッテリーは、水素ガスを放出しています。電気的な回路が完成すると、最後の接続を行うときに、火花が発生します。この火花が、水素ガスに引火し、バッテリーの電解液(希硫酸)が飛び散る可能性があります。希硫酸がもし目に入り、流水で流さないと、失明する可能性があります。特に、ジャンプスタートをやるような環境でだと、水道がない場合があるので、その可能性が上がります。
水素ガスへの引火を防ぐために、なるべくバッテリーから離れたところで、アースがされている部分に繋ぎます。故障車は、水素ガスの発生量が、救護車に比べると少ないので、最後に接続します。
マイナスアース車であれば、ボディーがマイナス端子になってるので、マイナス端子を先に接続するとプラス端子がボディーに接触したときにショートを起こし、フューズが切れます。また、火花と熱が発生し、ブースターケーブルとボディーを溶かす可能性があります。
プラス端子とマイナス端子を接続すると、大電流がブースターケーブル内を流れ、車のフューズが切れます。
救護車側は、バッテリーのマイナス端子に接続していますが、こちらもボディーアースに接続しても問題ありません。マイナス端子に接続している理由は、充電効率を向上させたり、抵抗を少なくするためです。
エンジンが掛からない場合
バッテリー上がりだけが原因ではない可能性があります。
セルモータの故障や、エンジンの故障、スパークプラグの故障などが考えられます。
その場合は、ジャンプスタートをあきらめ、レッカー移動などで車を移動させてください。
覚え方
ジャンプスタートは、同じ色同士を繋ぎ、故障車のボディーアースを最後に接続する。ということです。
同じ色同士を繋げば、充電ができます。電池の並列接続を行っていると思えば、簡単です。
プラスを先に繋いで、マイナスを後に接続します。さらに、ボディーアースを最後に接続します。
プラス端子の接続で、故障車と救護車の順番はどちらでも良いです。ただし、故障車のボディーアースだけは、必ず最後にします。
後処理
一度バッテリーが上がった自動車は、バッテリーが劣化し、十分な能力を失っている可能性があります。そのため、再びエンジンが掛からなくなる可能性があります。このジャンプスタートを行った後は、ディーラなどでバッテリーを点検してもらうことをお勧めします。
バッテリーの点検法(自己責任)
正常なバッテリーの電圧と電解液の比重を測定することで、大体のバッテリーの性能がわかります。詳しい性能が知りたければ、点検してもらってください。
バッテリーの電圧
エンジンを切った状態で、バッテリーのプラスとマイナスの電圧を測定します。その時、正常な充電状態であれば、12.6~13Vの電源電圧があります。
エンジンを掛ける際に、セルモータが回転中は、10V前後まで下がりますが、正常です。
エンジン始動後は、オルタネータ(充電器)が始動し、13.8~14.3Vになれば正常です。それより低ければ、バッテリーの充電性能が落ちているか、オルタネータが故障しています。
電解液の比重
電解液として、希硫酸が使用されています。硫酸を、蒸留水で薄めた物が、希硫酸です。
鉛蓄電池の電解液は、化学反応により、充電状態であれば、希硫酸になり、放電状態であれば、水になります。つまり、比重が1であれば、完全放電状態、それよりも多ければ、充電状態にあります。
フル充電状態であれば、比重は、1.28ほどになります。1.25を下回ると、放電状態です。
比重は、専用の比重計で行います。
電解液の量
電解液が、少なくなっていたり多くなっていたりすることで、バッテリーの性能が変わってきます。
バッテリーを揺らして、UPPERとLOWERの間に水面が来ているか確認しておきます。
もし少なければ、バッテリーの上部のネジを外し、蒸留水を追加します。決して希硫酸を追加してはいけません。硫酸の濃度が変化していまいます。
この電解液の量は、自動車教習所でも学ぶことで、日常点検に含まれています。
参考ウェブサイト様
こちらも確認することをお勧めします。
バッテリー上がり対策の基礎知識(2/2) all about
バッテリー上がりで使える裏技 D-Stop -ドライバーよ止まれ-
鉛バッテリーの比重値と液温·充電状態·測定方法 High Grove Inc
道具の紹介
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