タイトル通り、メインPCの水冷化をやってみました。といっても、本格的な水冷ではなく、簡易水冷と言われているCPUだけを水冷にするキットみたいなものを使いました。
Corsair CWCH50-1
簡易水冷CPUクーラーは、CorsairのCWCH50-1を選びました。発売されてからかなり経っていますが、依然人気のある水冷キットです。値段も、それほど高くないので、気軽に水冷化できます。
このクーラーは、CPUと接して冷却を行う水枕と、水枕を通して熱くなった水を冷却するラジエータと、ラジエータを冷やすファンで構成されています。
ラジエータとファンは、分離されていて、ファンを好きな物に交換できます。私は、付属品を使いました。
ファンは、12cmのPWM変速対応のファンが付属しており、全速力で回すと1600rpmの静音ファンです。
取り付けに関して
使用しているケースは、Antec P182です。静音ケースで、内部が狭くメンテナンス性に欠けるケースです。
水枕は、付属のブラケットでネジで固定します。バックプレートがあるので、マザーボードを一度取り外す必要があります。(CPUソケット裏に穴が空いているケースなら取り外し不要です。) 水枕自体はそれほど大きくないので、大きいヒートシンクを付けるよりも取り付けはしやすいと思います。
バックプレートは、落ちないように両面テープで固定しなければいけないと言うことが書いていますが、両面テープなしで固定したところ、普通に取り付けられたので、両面テープなしで固定しました。ただし、CPUを換装するときに、バックプレートが落ちる可能性があるので、換装を考えている人は、素直に両面テープで固定した方がいいです。逆に、マザーボードを交換しようとしている人は、両面テープがはがしにくそうなので、取り付けない方が良いかもしれません。
ラジエータは、ケースとラジエータの間にファンをサンドイッチして、固定するようになっていました。12cmファンが取り付けられる場所があれば取り付けられると思います。ただし、ラジエータは、縦に少し長いので、ケース内部に多少の余裕が必要です。
ファンは、ラジエータに風が当たるようにすることが推奨されているので、エアーフローに多少の工夫が必要です。幸いP182には、上向きの排気があるので、後部吸気にしても、問題なさそうです。
ホースは、非常に固く、取り回しがしづらいです。折れ曲がらないように、ワイヤーか何かが入っているようで、うまく取り付けられません。また、曲げすぎると、折れてしまいそうなので、慎重に取り付ける必要があります。
水冷の効果は?
気になるのは、冷却性能と静音性の2点だと思うので、それぞれ書きます。
PC Spec
CPU Core 2 Quad Q6600 2.4GHz → OC 3.0GHz (VID: 1.2875V)
M/B ASUS P5Q
GPU GeForce GTX 260
CASE Antec P182
POWER Antec TruePower Trio 650W
比較対象
リテールファン
CPU Fanに接続
Q-Fan Control:Standardで低回転化
CWCH50-1
CPU Fanにポンプ、Chassis1 Fanにファンを接続
元々付いていた12cmをラジエータのファンに交換
Q-Fan Control:Standardでラジエータのファンを低回転化
使用ソフト
CoreTemp CPUコア温度取得
ASUS Probe-II CPU・M/B・回転数取得
GPU Observer GPU温度取得
TMPEG Video Mastering Works x264でエンコード・CUDAでフィルタリングしてフルロード
環境
気温 25℃
リテールファン
アイドル時
CPU 50 ℃
C0 57 ℃
C1 57 ℃
C2 52 ℃
C3 54 ℃
M/B 46 ℃
CPU Fan 1100 rpm
Chassis1 Fan 900 rpm
Chassis2 Fan 900 rpm
Power Fan 1000 rpm
GPU 65 ℃
GPU Fan 40 %
結構静か。だが、各種パーツの温度がやや高い。
フルロード時
CPU 66 ℃
C0 77 ℃
C1 74 ℃
C2 71 ℃
C3 71 ℃
M/B 51 ℃
CPU Fan 2500 rpm
Chassis1 Fan 1000 rpm
Chassis2 Fan 1000 rpm
Power Fan 1400 rpm
GPU 75 ℃
GPU Fan 46 %
かなりうるさい。Q-Fan Controlが細かくファン制御し、うざい。うるさい割に冷えない。
CWCH50-1
アイドル時
CPU 45 ℃
C0 52 ℃
C1 52 ℃
C2 58 ℃
C3 50 ℃
M/B 52 ℃
CPU Fan 1360 rpm
Chassis1 Fan 480 rpm
Chassis2 Fan 900 rpm
Power Fan 1000 rpm
GPU 65 ℃
GPU Fan 40 %
CPU Fanが、ポンプ、Chassis1 Fanが、ラジエータのファン。
静音性は、リテールファンと同じくらい静か。耳を近づけると、ポンプの独特の音が聞こえる。こちらの方がCPUがよく冷えている。だが、M/Bが若干高め。
フルロード時
CPU 55 ℃
C0 66 ℃
C1 66 ℃
C2 61 ℃
C3 62 ℃
M/B 58℃
CPU Fan 1300 rpm
Chassis1 Fan 900 rpm
Chassis2 Fan 1100 rpm
Power Fan 1500 rpm
GPU 75 ℃
GPU Fan 44 %
アイドル時と変わらない静けさ。CPUが、よく冷えている。が、M/Bが全く冷えなく、CPUよりM/Bの方が温度が高い。電源ユニットのファンがうるさく感じる。
まとめ
CPUはよく冷えます。空冷と比べて、10 ℃以上の差がでます。しかし、ケース全体のエアーフローが悪くなってしまうので、周辺のパーツが冷えにくくなります。特にCPU周りのVRM、チップセットが冷えなくなるので、どうやって冷やすかが課題になると思います。
発熱する量は、リテールファンの時と同じはずなので、リテールファンでは、M/Bも冷えたけど、水冷では、CPUが冷えるということになったと考えられます。やはり、熱気をどう排気するかが課題です。
今回全く触れませんでしたが、水冷にする時は、冷却水の漏洩が気になると思います。いくらメンテナンスフリーとはいえ、劣化すると思われるので、その耐久性が気になるところです。しばらくは様子見の状態です。
ここまでは、6月22日に書きました。ここからは7月5日の追記です。
CWCH50-1のラジエータファンを、風がラジエータに当たるようにする、つまり背面吸気にすることが望ましいと説明書に書かれており、その通りにしました。しかし、M/Bが全く冷えず、60℃を超えてしまうことがありました。
そこで、元のファンが付いていたように背面排気にしてみました。単にファンを裏返すのではなく、インチネジで、ラジエータをケースに固定し、ファンを付属のネジで裏面から取り付けるようにしました。一応、ラジエータに風が当たるようになっています。
結果、M/Bの温度が45℃~50℃まで下がり、リテールの時とほぼ同じ状態にすることができました。現在、ファンコントロールをオフにして、全力で回していますが、CPUも50℃台をキープしているので、大丈夫そうです。
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